シーグラスチップ
シーグラスの仕事は海辺を歩く事からはじまる。
一片のガラスのかけらは、浜辺に可愛い曇りガラスになって、たどり着きます。
海の波風にもまれながら長い時間、旅してきたガラスたち。
かれらと出遭うために、旅は続く。シーグラスもまた、旅人。

渚をたどり砂に埋もれようとするシーグラスたちを拾い集める。
作家の営みは砂の上の一歩一歩の歩み、砂と海との営みを見詰める旅から始まる。
歩くことはパンセの作法でもある。歩き、眺め、見る。そして小さなガラスとの
出会い。作家は腰をかがめそっとガラスのかけらを手に取る。
また一つ、海に磨かれたガラスたちは、えもいえぬ優しさを放つ。そして
また一つ。大事なものを渚から引き離す心の痛みを覚えながら。(親愛なる屏賀正義の文章より引用)
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